2021.09.06 微細な腫瘍も見逃さない横浜国大とTDKが新医療用画像診断技術開発

磁気粒子イメージングによる頭部診断のサンプル

 高度な磁気センシング技術を活用した先端医療技術の進歩への期待が高まっている。横浜国立大学(梅原出学長)とTDKは6日、高精度磁気センサーを活用した医療用画像診断技術を共同で開発したと発表した。

 両社が開発したのは、通常のMRI(磁気共鳴画像診断)やX線CT(X線コンピューター断層撮影)などの画像診断技術とは異なる、「磁気粒子イメージング」と呼ばれる新しい画像診断手法に関わる技術。

 磁気粒子イメージングでは、腫瘍や血管に10ナノメートル程度の磁気粒子を集積させ、それを体外から検出して画像化する。微細な腫瘍の発見などに効果を発揮するとされる。

 磁気粒子イメージング装置は、ネズミなどの小動物に適用できる装置が市販されているが、さまざまな技術課題から、人体に適応する臨床装置は実現に至っていない。今回、新開発の高精度磁気センサーを活用することで、人の頭部や全身まで診断範囲を広げた磁気粒子の検出が将来的に可能になることが期待されるという。

(7日付電波新聞・電波新聞デジタルに詳細を掲載します)