2021.09.21 脱炭素向け英石油メジャーと提携日本郵船、アンモニアなどの燃料開発

 日本郵船は15日、脱炭素を推進するため英国の石油メジャー、BP社と戦略的パートナーシップを締結したと発表した。将来的なゼロエミッション船に向けたアンモニアの燃料開発などで協力する。世界的なネットワークを持つBP社と協業することで、海運業界でのけん引役を目指す。

 今後、重油など従来の船舶燃料から、LNGやバイオ燃料、メタノールなど代替燃料への移行を協力して推進。ゼロエミッションに向けアンモニアや水素などの燃料開発でも協力する。

 両社は、脱炭素が難しい他業界への支援も見据える。日本郵船ではアンモニアの海上輸送などを担って支援する考えだ。

 提携は「脱炭素に向けた幅広く浅い内容」(日本郵船)でまとめられた。両社は重工業や発電で活用が期待されるアンモニアと水素のサプライチェーンへの参画も模索していくという。

 BP社は2050年までに炭素排出量をネットゼロにすることを目標としている。一方で「さまざまな業界の世界トップ企業などと締結を進めている」(同社)といい、米国のネット通販大手アマゾンやマイクロソフト、ドイツのフォルクスワーゲンなどと同様の提携を結んだという。海運業界からは日本郵船などに声がかかった。

 河野晃・専務執行役員エネルギー輸送本部長は「BP社のエネルギー分野で長年培ってきた技術力や世界中に張り巡らされたネットワークと、当社が世界最大級の海運会社として海運業界の脱炭素化をリードしてきた知見や技術を掛け合わせ、業界の脱炭素分野でのリーダーを目指す」とコメントしている。