2021.09.21 【中部産業特集】ノリタケ伊勢電子高感度タッチ液晶モジュール

高感度タッチ液晶モジュール

様々な手袋で操作可、分厚いカバー越しでも快適

 ノリタケ伊勢電子(三重県大紀町、篠原一浩社長)は、世界で初めて蛍光表示管(VFD)を開発・製品化し、国内をはじめ北米、欧州、アジアなど世界市場で高い実績を持つ。

 ノリタケカンパニーリミテドの子会社であり、この9月に創業55周年を迎えた。三重県大紀町に本社・大宮事業所と大内山事業所を構える。

 事業内容として、VFDモジュール、静電容量式タッチスイッチ、高感度タッチ液晶モジュール、EMIシールドウインドウなどの電子部品、デジタルサイネージやディスプレーシステムなどの設計・開発、および製造・販売を手掛けている。

 成長製品と位置付ける高感度タッチ液晶モジュール(別称:GT)は、独自の技術力を生かしたディスプレー製品であり、静電容量式ならではの滑らかなタッチ感を持ちながら、高感度で安定したタッチ認識性能を持つ。特長として、タッチ対応ではない軍手、ゴム手袋、皮手袋や耐熱手袋など、さまざまな手袋でタッチ操作が可能。さらにガラス、アクリル板など分厚いカバー越しでも快適に扱える。

 ラインアップは、ビデオ入力タイプGT-VP、コマンド制御タイプGT-CPをそろえる。

 GT-VPは、パソコンやラズベリーパイなどの組み込み用SBC(シングルボードコンピューター)につないで映像を表示するタイプであり、プラグアンドプレイ対応で簡単にタッチディスプレーとして使える。映像入力I/Fとして、DVI(HDMIケーブル)、RGB入力、LVDS入力などのモデルを選べる。

 GT-CPは、簡単なコマンドで表示画面を作成するタイプ。使うデータを事前に入れておけば、少ないコマンドで早く呼び出せて、ホストの負荷を軽減できる。プログラムマクロ機能で周辺機器の制御を自動化することで、さらにホストの負荷を軽減できる。

 手軽に表示・書き込みが試せる評価用キットの販売や、開発サポートソフトウエアの無償提供など、開発サポートも充実している。現行品より広い温度範囲で動作する広域温度品を11月から順次リリースする。

 高感度タッチ液晶モジュールの納入先は、国内と海外が半分ずつ。レストランの調理器具や厨房(ちゅうぼう)設備、病院の医療器具、工場の計測器、駐車場や自販機など、手袋を使用する環境や、水ぬれの場所が多い。

 新型コロナ対策で、最新製品を訴求した動画配信やオンライン展示会への出展、オンラインセミナーの開催も行っている。

 新製品の「アイクリップビューアIoT」は、デジタルサイネージシステムにIoT機能を追加し、エクセルで従来通り運用できる。