2021.09.24 デジタル化に「人財と資金の投下を」21年度の経済財政白書

記者会見に臨む西村経済再生担当相=24日、東京都千代田区

 西村康稔経済再生担当相は24日の閣議に、2021年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を提出した。新型コロナウイルス感染症の拡大抑制と経済活動の両立を模索する状態が続く中、経済成長の源泉となるデジタル化の加速に向けて必要な投資や人材を増やす課題などを投げかけた。

 白書では、コロナ禍でデジタル化の遅れをはじめ数々の課題が浮き彫りになったと指摘した。その上で、危機を乗り越えて進化する「レジリエントな日本経済」の構築に向けて、サプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化や成長産業への円滑な人材移動などに取り組む課題を提示。デジタル化や地球温暖化対策を加速させ、経済成長につなげる必要性も強調した。

 特にデジタル化を巡っては、研究開発費が製造業に偏重し、デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)で中心的な役割を担う情報通信業への投資が国内総生産(GDP)比で米国の約4分の1にとどまる現状を問題視。不足するICT(情報通信技術)人材の状況にも目を向けた上で「人財と資金の投下を増やすべき」と明記した。

 西村氏は同日の記者会見で「日本経済の伸びしろはかなりある。成長力を高める努力を官民を挙げてしていきたい」と述べた。
(詳細は28日付、電波新聞・情報通信面、電波新聞デジタルに掲載します)