2021.10.01 「コア事業」など区分せず競争力強化パナソニック楠見社長が新体制の方向性語る

会見する楠見社長

 パナソニックの楠見雄規社長執行役員グループCEOはウェブ記者会見を開き、新体制で目指す方向性などを発表した。来年4月から始める事業会社制について「コア事業」などの区分は設けず、2年間は競争力の強化に取り組み、発展できる基礎を作る。また、ホールディングスとして、CO₂排出量実質ゼロ化に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)を推進し、削減するソリューションをほかの製造業に提案する。

 各事業会社は自主責任経営を実践し、10年先の社会・環境課題の解決を起点とした経営を目指す。事業会社ごとに長期視点で目指す社会変革の姿を明確化。また、競争力のたゆまぬ強化を目指す。楠見社長は「事業の本質価値は競争力。事業会社は、それぞれが目指す社会へのお役立ちと環境貢献を果たすため自ら投資を行う。2年間はこれらのことを定着させるための期間。隆々と発展していける基礎を皆でつくる」と話す。

 その際に、「コア事業」「重点事業」などの区分は設定せずに取り組む。一方で、競争力が他社に打ち勝つことができない事業は、顧客や従業員の考えを優先して迅速に判断する。

 GXは、30年に全事業会社のCO₂排出実質ゼロに向けたロードマップの策定が完了。50年に向けては自社排出220万トンに加え、自社商品からの排出量8593万トン、サプライヤー1656万トンなども視野に入れ削減貢献を目指す。BtoB顧客向けには自社で実践する削減のためのソリューションを提案する。

GX(Green Transformation)の取り組み (出所:パナソニック)

 このほか、松下幸之助氏が確立した経営理念の基本方針である考え方「経営基本方針」を約60年ぶりに大改訂したことやITシステム変革のパナソニックトランスフォーメーション(PX)を推進することなども公表。多様な人財が集まり、挑戦・活躍することで社会へのお役立ちを果たす「人を生かす経営」に徹することも明らかにした。
(詳細は4日付電波新聞・電波新聞デジタルに掲載します。)