2021.10.05 CO₂地中貯留の具体像精査JAPEX、低炭素化推進室を新設

 石油資源開発(JAPEX)は1日付で、二酸化炭素(CO₂)排出削減策として期待されるCCS(CO₂の回収、貯留)技術の一つであるCO₂の地中貯留について、実際の操業時の具体像を精査する部署「低炭素化推進室」を新たに設置した。操業する際を見据え、安全性や経済性などに関して具体的に検討を進める。

 国内事業本部内に設置する。同社は、CCSに加え、CCUS(CO₂の回収、貯留、利用)技術の早期の実用化や事業化への取り組みを推進する目標を掲げており、今回の組織改編はその一環。

 同推進室では、国内油ガス田で実証試験の検討段階に入っているEOR技術の実施状況などを勘案しながら、関係部署と協力していく。

 EORは、掘削井からCO₂を地下に圧入することで、地層に残っていた原油やガスなどを押し出し、回収率を高めて生産量を増加させる技術。同推進室では、地中貯留できる量の評価法の精度の向上支援のほか、操業に移行した後の課題などを総合的に検討していく。

 同社は「2020年代後半から30年にかけて、国内で少なくとも実証レベルで地下貯留を始めたい。それをより具体化し、加速するための組織になる」と説明している。