2019.12.05 【年末LED照明特集】JLMAが普及キャンペーン チコちゃん起用で交換メリット訴求
メーカーが出荷する照明器具はほぼ100%LEDに切り替わっている
年末は照明の需要期だ。LEDが照明の中心となり、買い替えサイクルが長期化しているとはいえ、ストック(既設照明)は18年度で40%程度しかLED化は進んでいないと推定されている。
日本照明工業会(JLMA)では、さらなるLED照明の普及促進を目指し、「あかりの日」(10月21日)から消費者向けのキャンペーンを開始した。照明メーカー各社としても、年末商戦における販促策の一つとして活用していきたいところだ。
国内の照明市場は踊り場に来ている。90年頃に8000万台という過去最高の出荷台数を記録した国内の照明出荷台数はその後、リーマン・ショックの影響などで5000万台まで減少したが、LED照明の登場で7000万台まで回復。LEDは蛍光灯や白熱電球など従来光源の減少幅を補い、照明市場全体を押し上げる原動力となっていた。
しかし、現在では様々な分野でLED化が進み、既にメーカー出荷(フロー)ではほぼ100%がLED照明に切り替わっている。家電量販店の店頭も照明コーナーはLED照明が埋め尽くしており、蛍光灯などの陳列はわずかな一角を占めるのみ。いまや「照明=LED」という状況は当たり前で、その分、価格競争も進む。数量は出ても出荷金額が伸び悩みだしている。
JLMAが推定するストック市場は、17年度で約17億3000万台。現状で約10億台のストックがLED化されておらず、このLED化が「大きな課題」(JLMA・平岡敏行会長)との認識だ。
JLMAがLED化を急ぐのは、30年度で13年度比26%減という政府の温室効果ガス排出削減目標に関係がある。それに合わせて政府は、30年度にストック市場の100%をLED化するという方針を示しており、JLMAとしても業界を挙げてそれに取り組む必要があるためだ。
この目標達成のハードルは決して低くなく、「使用時間の少ない照明器具など、30年度に全てがLEDに変わるとは思っていない」(平岡会長)としつつも、「ほとんどの器具がLEDに交換されるという目標を設定している」と話す。そのための起爆剤として展開しているのが、NHKで放送するバラエティ番組の人気キャラクタ・チコちゃんを起用したプレゼントキャンペーンだ。
こうしたキャンペーンはJLMAとして初の取り組みで、LEDへの交換メリットやその良さなどを広く知ってもらうことを目指している。キャンペーンキャラクタにチコちゃんを起用することで、子どもから大人まで幅広い層にLEDをより認知してもらい、ストックのLED化につなげたい考えだ。
キャンペーンは、工業会の加盟企業のほか、全国電機商業組合連合会や全日本電設資材卸業協同組合連合会など4団体の協賛を得て実施。第1弾として来年1月31日まで行う。簡単なクイズに答えることで、抽選で1000人に「チコちゃん ペアトートバッグ」が当たるという内容だ。
第2弾は来年3月1日から5月31日に実施予定で、年末年始と新年度の需要期にキャンペーンを展開することで、LED化の加速を狙っている。
キャンペーンはメーカーにとってLEDの絶好のアピール材料になる。フローがほぼ100%LED化している以上、消費者の購入する照明器具はLEDになるのは必然だが、「まだ使える」「交換するのがもったいない」などの理由で、LED化に踏み切らない消費者も少なくない。
キャンペーンを発表した10月の会見で、平岡会長は「意識を変える」と力を込めた。消費者の意識をLEDにもっと向けさせるため業界が一丸となって取り組んでおり、その成果が今年は年末年始で見られるはずだ。
【年末LED照明特集】目次
●JLMAが普及キャンペーン チコちゃん起用で交換メリット訴求
●パナソニック AIR PANEL LED THE SOUND 軽量・薄型化のスピーカ搭載
●東芝ライテック ベース照明ビューレッド 照明とカメラ融合
●三菱電機照明 ベース照明Myシリーズ 独自防汚技術を採用