2022.01.13 【放送/機器総合特集】22年 年頭所感日本ケーブルラボ 田﨑健治理事長

田﨑 理事長

情報交換で業界躍進に貢献

技術と経営を一体化

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 昨年は、引き続き新型コロナ禍での事業運営となり、また、東京オリンピック開催、政権交代、経済活動再開に伴う原油高や半導体供給不安等々、落ち着かない一年でした。

 日本ケーブルラボでは、米国ケーブルラボに協力頂き、おととしは開催を見送ったオータムセミナーのオンラインによる開催にこぎつけ、多くの会員の皆さまに参加していただくことができました。そして、調査・研究・認定試験なども皆さまのご理解・ご協力の下、順調に推進できました。改めまして、皆さまのご厚情に心より感謝申し上げます。

 さて本年は、昨年末にスタートした総務省での放送や通信の将来政策に関わる検討会や委員会に象徴されるように、放送や通信の基本的立ち位置や役割の議論がより活発になり、加速する年となりそうです。

 われわれケーブルテレビ業界も過去の延長で物事を考えるのではなく、広い視点・新たな視点で未来を考えていく必要があると思います。

 デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)時代の事業運営は、新サービスのアイデアが先にあり、サービス具現化の道具として技術を使うという一方通行の関係ではなく、技術のポテンシャルを見極め、技術から新サービスを考えるという双方向の関係が必要だと言われています。

 また、新サービス構築という事業の攻めの面だけでなく、運用の効率化やセキュリティーといった守りの面でも、AI(人工知能)応用やIoT技術、データ分析技術の進化により、効率化・コスト削減効果が大きく期待できる時代となり、技術を使いこなす企業とそうでない企業の差が日増しに大きくなっています。

 このような背景の中、日本ケーブルラボは、ケーブル事業を技術イノベーションにより発展させるため、スピード感と適時性を念頭にラボ活動を推進してまいります。

 業界の将来を支える技術の潮流を的確に捉え、皆さまとの緊密な情報交換を心掛けながら、業界にとって重要な技術を現場目線で調査・分析し、展開することを通して業界の躍進に貢献できるよう、職員一同努力していく所存です。

 先に述べましたように、技術と経営の一体化が極めて重要な時代であることを念頭に、技術者の方への情報発信にとどまらず、経営者の方々との意見交換も大事にしていきたいと考えています。

 コロナ渦の状況を見極めつつ、徐々にではありますが、皆さまと直接お会いしてのコミュニケーションの機会も増やしていきたいと思います。

 本年もラボ活動にご支援賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。