2022.01.17 島根・山口県沖で天然ガスの試掘INPEX、商業開発の判断に


 石油開発国内最大手のINPEXは17日、島根県と山口県沖の日本海で天然ガスの資源量を調査する試掘を行う、と発表した。既に資源の存在が確認された海域で、商業生産できるかを判断するため資源の広がりや量などを詳しく調べる。商業生産となれば国内では約20年ぶりになるという。

 試掘するのは、両県の北沖合約130~150キロメートルの深さ約240メートルの海域。3~7月の実施を予定する。

 同社は2010年代初めから、島根県から福岡県沖に及ぶ海域で、海面から放った音波の跳ね返りなどのデータをもとに、地下の構造を調査する作業を続けてきた。今回試掘する海域では資源が存在する可能性が高かったため、16年には簡易的な井戸を掘って調査する基礎試錐を実施。地下に天然ガス層があることを確認した。

 さらに、商業生産できるかを評価するため、本格的に試験井戸を掘削して調査する。その後、資源の分布量などのデータを評価したうえで、最終的に開発するかの判断を行うという。

 資源エネルギー庁石油・天然ガス課によると、開発となれば、新潟県の南桑山油ガス田を03年にINPEXが操業を始めて以来となる。

 同課は「カーボンニュートラル社会においても、水素の燃料などとして、天然ガスのニーズは一定程度ある」とする。同社も「商業ベースに移ることができれば、国内の自給率向上に寄与できる。前向きに進める」と話している。