2022.01.21 政府、「アジャイル型」政策手法を導入へ行政改革推進会議の下で2月から議論
政府は21日、データを活用して政策を継続的に改善させる「アジャイル(素早い)」型の政策手法の実現に向けて議論に乗り出す方針を明らかにした。同日の行政改革推進会議で決めたもので、2月にも議論を本格化。6月をめどに取りまとめ、デジタル化の推進と規制・行政改革について一体的に議論する「デジタル臨時行政調査会」に報告する計画だ。
デジタル技術の進展や長期化する新型コロナウイルス禍に象徴されるように、行政を取り巻く環境が刻々と変化している。政府は、こうした状況下で顕在化する課題に機動的に対応することが必要と判断。同会議の下にワーキンググループ(WG)を設置し、アジャイル型で政策を形成し評価する仕組みのあり方や方策について集中的に議論する。
WGの座長は、東京大学公共政策大学院の大橋弘院長が務める。そのほか、千葉県の熊谷俊人知事やPHP総研主席研究員の亀井善太郎氏(立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任教授)らが構成員として参加した。
アジャイル型は小さい単位で開発を進め改善を繰り返す手法で、ソフトウエア開発の代表的な手法として知られる。今回、データを活用しながら迅速に「政策サイクル」を回し、モニタリングや効果の検証を実施。こうした仕組みで柔軟に政策を見直し、改善につなげられかを探る。
内閣官房によると、どういうデータ活用の方策を取り入れると機敏な見直しを実現できるかといった観点からアジャイル型を個別政策に当てはめ、検証する。例えば、新型コロナウイルスのワクチン接種状況をリアルタイムで把握する「ワクチン接種記録システム(VRS)」のデータを駆使しながら、「状況に応じて打ち手を変える」といった展開が想定されるという。
岸田文雄首相は、昨年12月の行政改革推進会議でアジャイル型の政策形成・評価に触れ、「(同会議の下に)ワーキンググループを作り、しっかり議論を進めてもらいたい」と指示していた。