2022.02.01 【コネクター特集】イリソ電子工業産機向け、車載に次ぐ第2の柱に

 イリソ電子工業は、自動車市場や産機市場、コンシューマー市場を事業拡大に向けた柱と位置付け、積極的な新製品開発と生産・販売体制の強化を進めている。

 自動車市場では、AVNに加えて車載電装分野でも高い技術力が評価され、新製品のスペックインが活発だ。産機向けは、車載に次ぐ第2の柱として確立させる。

 同社は独自のフローティングテクノロジーを採用した3次元可動BtoBコネクター「Z-Moveシリーズ」を拡充。接点が固定されたままZ軸が可動する構造で、耐振動性、耐衝撃性に優れる。振動(共振)・衝撃によるはんだ付け部のストレスを緩和。作業性、信頼性を大幅に向上する。

 新製品開発では、パワートレイン用高電流コネクターや高速伝送用コネクターの開発に力を注ぐ。パワートレイン分野では「3次元可動BtoBコネクター」と「振動シミュレーションサービス」を組み合わせた「耐振ソリューション」を展開。振動シミュレーションサービスで顧客機器の耐振性を評価して問題点の早期把握と対策の提案を行い、高い評価を得ている。

 高速伝送対応では、25ギガbps対応0.5ミリピッチフローティングコネクター「10143シリーズ」を開発した。X-Y方向に0.8ミリメートル可動(Z方向はプラスマイナス0.5ミリメートルを嵌合長で吸収)。大きな可動域のフローティング機能にもかかわらず、BtoBコネクター史上最高クラスの高速伝送が可能だ。固定金具機能を兼ねた電源用端子をコネクター両端に搭載している。

 同社はBCP対応を強化し、昨年までに在庫体制の見直しを完了した。スペア設備配置やマルチ生産体制化の拡充も進める。