2022.02.05 東芝、3分割案を2分割に修正空調子会社売却も検討
東芝がグループを独立した3社に分割する再編計画を修正し、2分割とする方向で検討していることが分かった。さらに、空調子会社の東芝キヤリア(川崎市)を売却する方向で調整。米空調大手に保有株を譲渡する。売却で得る資金は、インフラやデバイスといった中核事業への成長投資や株主還元に充てる狙いがあるとみられる。
詳細は7、8の両日に開く投資家向け戦略説明会で説明する。同社は4日夜、「再編スキームの改良やポートフォリオの見直しについても選択肢として検討しているのは事実」とのコメントを発表した。
東芝が昨年11月に公表した再編計画によると、インフラとデバイスを手掛ける二つの事業会社は新規に上場。残る東芝本体は、関連会社の半導体メモリー大手キオクシアホールディングスの株式保有の管理などを担い、それぞれの道で競争力を高めて企業価値の向上を目指すとしていた。
3分割案は日本の産業界で前例がなく、2社の新規上場などにより数百億円程度のコストが掛かるとみられている。東芝はこの案を2分割に修正し、会社分割の円滑な実施に向けて産業競争力強化法を申請。2分の1の賛成で分割できる特例措置を活用したい意向だ。
今回の計画見直しに伴う分割コストの圧縮で捻出した資金を、成長投資や株主還元に回すことができれば、利益配分を求める株主にとっても利点があると判断したもようだ。
加えて東芝は、保有する東芝キヤリアの株式を米空調大手のキヤリアに売却する方向で調整。売却額は1000億円規模になるとみられる。