2022.02.14 国立劇場のVR映像公開来秋の閉場控え全容をVRで保存

国立劇場の3Dビュー+VR映像(ⒸVR革新機構、提供:国立劇場)

 日本芸術文化振興会はVR革新機構の協力で、2023年10月末に閉場する国立劇場(東京都千代田区)の3Dビュー+VR映像を撮影。同劇場のホームページで公開を始めた。

 パソコンやスマートフォンから、大劇場や小劇場の舞台と客席、ロビーなど地上3階、地下1階の建物内部が好きなアングルでリアルに楽しめる。映像は個人利用に限り無料で公開している。

 国立劇場は正倉院を思わせる校倉(あぜくら)造りを模した外観が特徴。1966年に開場し、半世紀余りにわたって能や歌舞伎、文楽、邦楽、演芸など伝統文化の振興と普及、人材育成を行ってきたが、建物と設備が老朽化し、建て替えを視野に再整備計画が進められている。

 映像製作は、VR革新機構によるボランティア撮影公益事業プログラムの一環で、施設や建物をデジタルで後世に残す文化芸術アーカイブプロジェクトとして行われた。

 日本芸術文化振興会の再整備基本計画によると、新たな劇場は伝統芸能の伝承と創造の機能に加えて「文化観光拠点としての機能強化」を掲げる。大劇場と小劇場、演芸場に加え、PFI法に基づき、民間事業者のノウハウを活用してレストランやカフェ、ショップなどを備える複合施設になる見込み。2029年度中の再開場を目指している。