2022.03.08 話してもらうだけで「認知症」発見SMKと国循がAI技術開発へ

米国でのサービスの画面例

 世界中で課題になっている認知症。かかっているかどうかは、医師が長い質問事項をもとに患者とやりとりし、判断する場合が多い。また、専門の画像診断検査もある。しかし、1人の患者さんやそのリスクのある人に長い時間やコストが必要。また、医療機関から遠い地域に住んでいる人は通院も難しく、状態が進行してしまうこともある。

 そこで、スマホなどに向かって30秒程度の会話をしてもらえば、その音声データから認知症の可能性などを判断できるAI技術に、SMKと国立循環器病研究センター(大阪府吹田市、国循)が取り組む。

 音声の周波数や韻律といった要素を分析する。アルゴリズム確立には「教師データ」が課題だったが、自治体との連携で、住民らの同意を得つつデータを集めるメドも立った。米国のスタートアップの技術を活用しつつ、来年度の実用化を目指している。認知症だけではなく、抑うつ状態や疲れといった心の状態のほか、パーキンソン病などにも適用できる可能性がある。

 同社は、こうしたセンシング技術や音声認識技術で社会課題を解決する事業を進めており、医療現場と患者側の負担を減らす一助になりそうだ。
(9日付の電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)