2022.03.18 【九州・山口産業特集】カホエンタープライズデータ生かした経営推進
柳瀬 社長
DXをパッケージ化
カホエンタープライズ(福岡市博多区)は、嘉穂無線ホールディングスが北部九州と山口県に展開するホームセンター「GooDay(グッデイ)」で実践してきたデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)の取り組みを、企業へ外販している。
同グループのグッデイは、2015年にTableau(タブロー)とGoogle Workspaceを導入。グッデイ各店のPOSシステムから集めた売り上げ情報や社内システムからの情報、気象情報や口コミといった社外の情報などさまざまなデータを、一元的に管理と可視化・分析できる環境を構築した。
正確な数値をほぼリアルタイムで可視化できるため、状況に適した経営判断につながり、店舗や本部における業務効率化にも貢献。2000年代に入り業績が下降傾向にあったグッデイは、15~20年の5年間で26%の売り上げアップを実現している。
コロナ禍となった20年には社会全体で営業時間を短縮する動きも出る中、同社では実際のデータからシミュレーションを実施。時短では密集度が上がり感染防止にならないことが判明し、グッデイは通常営業を続けた。
16年に就任した柳瀬隆志社長は、自らもシステム導入に携わり社内の改革を推進してきた。柳瀬社長が入社した08年当時、同社にはホームページもなく、社員の多くは経験と勘に頼って業務を進めていた。そこで意識改革にも着手し、現在のデータに基づく経営スタイルを確立させた。
試行錯誤の末に生まれたデータ活用の仕組みを、他社でもすぐ導入できるようパッケージ化したのがKOXだ。タブローやグーグルの分析基盤を組み込み、大量データの管理と分析をワンストップで行えるサービスで、実用的なダッシュボード画面を実装。利用は月額6万円からで、データの活用を進めたい企業であれば地域や業種・業態を問わず対応する。
黒田大輔営業部長は「当社のノウハウを基に、お客さまが自立してDXを進められるよう支援させていただく」と話した。