2022.03.18 【九州・山口産業特集】明光電子取引先と新製品開発を推進

根本 社長

展示会で新規開拓へ

 明光電子は、取引先の電子部品メーカーと共同で新製品開発を推進している。同社は部品調達だけでなく顧客の開発を支援する専門商社としての顔もあり、製品ラインアップの拡充で、ガスや電力の見える化など新たなニーズに応える狙いだ。

 今年度(8月期)から根本敬継社長の新体制がスタートした。上半期の実績は予算比140%と大幅に伸長。半導体不足が業界全体を悩ませる中、産業分野の少量多品種を扱う同社では、幅広いネットワークで仕入れできたため、供給課題は限定的だった。

 根本社長は「世の中の変化で新しい製品の需要も高まっている」と話した。新規客の獲得にも注力しており、4月には「第31回Japan IT Week春」に出展する。

 電圧を可視化するセンサーを独自で開発しており、同展示会で試作品を初公開する予定。TDK製の電流センサーと組み合わせ、独自の評価ボードで電力量を即座に計測するデモンストレーションも実施する。

 電力会社のスマートメーターと異なり、部分的な電力量を後付けで計測できる点が特長。電流値でデータ計測するのが一般的だが、電圧や電力をリアルタイムに計測するセンサーは選択肢が少なく、需要に期待している。

 ガスセンサーを手掛けるフィガロ技研(大阪府箕面市)と協力して開発している、二酸化炭素と一酸化炭素の濃度をマルチ計測可能な「CO/CO₂センサー」も目玉展示の一つ。感染予防の3密対策と不完全燃焼による中毒事故対策を同時にこなす。具体的な用途はこれから顧客と検討し、展示を通じて新たなマーケット開拓につなげる考えだ。

 このほか、エッジ機能搭載の屋内向けIoTゲートウェイ「QRIoTⅩ」(九州テン)、ドローンにも搭載できる小型GNSSモジュール(マゼランシステムズジャパン)の開発品なども展示する。

 10月に福岡市で開催する「モノづくりフェア2022」にも初出展する。福岡県からスタートした企業として、九州でもビジネス向上を図る。