2022.03.18 【九州・山口産業特集】九州半導体・エレクトロニクスイノベーション協議会産学官のハブで活躍
牧野 統括コーディネーター
海外交流でビジネス創出へ
九州半導体・エレクトロニクスイノベーション協議会(SIIQ、会長=安田幸央三菱電機パワーデバイス製作所長)はここ1年、会員加入が増え、現在237会員となっている。人材や物流など間接的な分野、特に人材は全国規模の会社の加入が目立つという。
半導体関連の人材育成が九州全域で活発化する中で、「九州域内だけで人材の問題が解決する時代ではない」(牧野豊統括コーディネーター)。大学であれば全国規模での連携、さらにインターンシップを含めた産業界での人材教育が必要で、「実習を含めた教育では企業との連携の方がうまくいく可能性が高い。また、海外との連携もやっていく必要があるのでは」と話す。
そこで企業とのハブの役割を務めるのがSIIQだ。人材マッチングでは、大手企業と地場企業を結ぶ国の事業「マイスター☆LINK」を2019年度に、ワールドインテックと共同で受託。高度スキル人材が欲しい中小企業のニーズを調査し、大企業のシニア人材とのマッチングを実施した。その後も求職人材や中小企業のニーズといった情報が入ってくるという。
21年度の事業では、海外とのオンライン交流を実施。昨年6月にはウエハープロセス装置大手のEVGや独インフィニオンの新工場など半導体関連が集積しているオーストリアの半導体クラスターSiliconAlpsとの交流会を行った。
今年3月には、ベルギーの半導体研究機関IMECやフランダース地方の半導体クラスターDSP Vallyとの交流会も開催。以前から実施している台湾とは継続して交流している。
これらの交流活動を通じて、海外からニーズなど情報が得られ、商談や共同課題の解決・取り組みに結び付く事例が増えており、SIIQではビジネス創出の結果につながる活動を推進している。