2022.03.18 【センサー特集】KOA「SDT310VASP2」

「SDT310VASP2」

素子部寸法が業界最小クラス

従来品より0.9秒早い熱時定数2.3秒

 KOAは、白金薄膜温度センサー、リニア抵抗器など各種温度センサーを豊富にそろえている。新製品のSDT310VASP2は、素子部寸法が業界最小クラス(0.4×2ミリメートル)で耐熱600度であり、熱式風速センサーのヒーターとしても使用可能。従来品SDT310VASPより熱時定数が0.9秒早く2.3秒となっている。

 リードタイプの白金薄膜温度センサーSDT101SAは、素子部の直径1.6ミリメートルながら1kΩの高抵抗値を実現。これらの製品はAEC-Q200データも取得し、車載機器にも利用可能。チップタイプの白金温度センサーSDT73シリーズは、汎用(はんよう)タイプのほか、耐熱性250度のSDT73S、車載向けにSDT73Vをラインアップ。

 チップリニア抵抗器も複数ラインアップし、車載対応品LT73Vは半導体素子の温度補償などに使用される。今後温度センサー素子は、ワイヤボンディング電極や小型形状の製品などラインアップを増やしていく。

 電流検出用低抵抗器も豊富にそろえている。専用抵抗材料と銅を接合したシンプルな構造のTLRシリーズは0.5m~20mΩ、抵抗値許容差プラスマイナス1%、抵抗温度係数プラスマイナス50×10-6/Kであり、ノントリミング構造で寄生インダクタンスを極力排除し波形歪の少ない高精度電流検出が可能。2012サイズで1W、3216サイズで3W、6432サイズで5Wと小型・高電力化により最大100Aまでの電流検出が可能。

 金属板電極を樹脂封止し高いヒートサイクル性を有するSLシリーズは、抵抗値3mΩ以上、定格電力最大7W。

 金属板チップジャンパー抵抗器は大電流、低抵抗かつ高熱容量化対応のTLRZシリーズを1005~3216サイズでそろえ、最大50Aの定格電流を実現。樹脂封止構造ジャンパー抵抗器SLZもラインアップしている。

 厚膜タイプは、高い定格電力と耐ヒートサイクル性に優れる長辺電極構造のWK73・WU73シリーズがある。WK732B(1632)は1.5Wに対応、WU73とUR73V(100mΩ以下)は抵抗温度係数プラスマイナス75×10-6/Kの高精度。