2022.03.24 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 変革を遂げる中国の日経電子部品工場上村工業(深圳)有限公司 上村工業

中谷 董事総経理

上村工業(深圳)有限公司上村工業(深圳)有限公司

めっき薬品、研磨剤、めっき装置の旺盛な需要対応し増産

 上村工業は、深圳に製造拠点(坪山区)、営業・技術サポート拠点(南山区)、香港と上海に販売会社を置き、中国国内の旺盛なめっき薬品、研磨剤、めっき装置の需要に対応している。

 上村工業(深圳)有限公司の中谷聖二董事総経理は「スマートフォン、基地局の5G関連の通信向けや電気自動車をはじめとする自動車向け、そして積極的な投資が続く半導体向けを中心に好調な受注が続いている。4月以降も先行発注分も含めて受注は増加傾向にある。新型コロナの感染拡大の影響は心配だが、めっき薬品、研磨剤、めっき装置の需要は強く、2022年は昨年並み、あるいは昨年以上の受注を見込んでいる。旺盛な需要は23年も続くとみて、坪山工場にかなりの設備投資を行い、めっき薬品、研磨剤、めっき装置の増産を進める。上村工業のグループ力を生かし、資材も確保している。昨年12月に研究開発用のクリーンルームを坪山工場内に新設した。増大する需要に対応するとともに、先端の需要にもしっかり応えていく」と話す。

 坪山工場は、プリント基板や電子部品用無電解ニッケル、無電解金、無電解パラジウム、下地用銅などのめっき薬品の増産投資を進め、22年下期から増産出荷できる体制を整える。めっき装置も20年2月に新設したクリーンルームでの生産能力を引き続き増やす。21年12月に新設したクリーンルームでは先端半導体用めっき薬品の研究開発に注力する。

 ゼロディフェクトに向けためっき薬品、めっき装置の自動化、可視化の投資にも積極的に取り組む。

 また、カスタマーサポート力の強化にも引き続き力を入れる。50人を超える営業、フィールドエンジニアが常駐する南山事務所の技術職を増員。顧客への技術支援能力をさらに高める。坪山工場、南山事務所ともローカルの人材育成を進め、低い離職率を維持し健全な経営を推進。21~23年度の全社中期経営計画に沿って、中国ビジネスの拡大を図る。