2022.03.24 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 変革を遂げる中国の日経電子部品工場東莞昭和電子有限公司 SMK
長島 総経理
自動化・省力化推進で高付加価値
SMKの東莞工場(東莞市)は自動化・省力化の推進により、付加価値の高いモノづくりを展開。新規製品立ち上げや新規顧客拡大も進展している。
東莞工場「東莞昭和電子有限公司」(長島広和総経理)は、リモコンユニット(STB用、住宅設備用など)を主力に、ジャック/コネクター、スイッチなどを製造する同社グループの海外主力製造拠点の一つ。
プレス、成形、メッキをはじめ、金型・自動機の設計・製作、印刷、製品設計などあらゆる機能を備え、付加価値の高い生産活動と顧客サービスを行う。従業員数約1500人。
2020年序盤は新型コロナの影響を強く受けたが、20年3月以降、早期に正常化。21年度(22年3月期)は大型案件の終息により前期比減収見込みだが、家電・住宅設備用リモコンやスイッチなどの生産は着実に増加し、加えて新規ビジネスの二輪車用操作ユニットの立ち上がりも寄与した。
長島総経理は21年度について、「住宅設備用リモコンは、新規顧客開拓が生産増に寄与した。スイッチは、車載用ラバー単キースイッチなどが伸長した」と話す。
同工場では生産の自動化・省力化に精力的に取り組んでいる。従来のSTB用リモコンに加え、21年5月から住宅設備用リモコンの自動組み立て機を導入・稼働した。「今後はより汎用(はんよう)性に優れたモジュール方式のリモコン自動組立機の今年4月ごろの稼働を計画している。これにより月産2万台程度でも自動化が可能になる」(長島総経理)。
同工場は、成形機104台、SMTライン8ラインなどを整備。はんだ付けロボットなども順次導入している。リモコン印刷工程では多色刷り印刷機を新規導入した。「今後は自動印刷機の内製化も始める」(長島総経理)。同工場にはマシン設計技術者が約30人在籍。東莞工場用設備内製に加え、グループの他の海外工場向け自動機の設計、製作も行う。
22年度は、エアコン用リモコンやスイッチ、操作ユニットなどの生産を拡大する計画で、「22年度は10%程度の増収を目指したい」(長島総経理)。