2022.03.24 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 エレクトロニクス商社の中国営業戦略岡本無線電機

猪口 総経理

機能拡充と拠点同士の連携強化

 岡本無線電機は、今年の4月から3カ年の新たな中期経営計画をスタートする。海外展開では、各拠点で機能拡充と拠点同士の連携強化を図る。海外拠点の一つ上海奥拓利電子有限公司は、中国にある4拠点の連携を強化する。

 上海奥拓利電子有限公司は2000年11月に拠点を開設し、今年で22年を迎える。13人のスタッフ体制で取り組みを強化している。主に、日系企業のフォローのほか、ローカル企業の新規開拓の取り組みを推進。着実に顧客数が増えている。日系向けの取り組みではユニット化を推進し、付加価値を提供。ローカル企業は日系企業とともに開拓を展開している。

 21年4月から22年3月までの通期の実績は、トータルで2桁伸長する見込み。下期は世界的な半導体不足の影響で、勢いが弱まったものの上期の好調さがあり大きく飛躍した。主に、自動車関連向けで電気自動車(EV)や車内アクセサリー関連向けが好調だったほか、FAのロボット向けの需要がよかった。一方、半導体不足の影響でリードタイムが長くなっているのが現状だ。

 来期からスタートする岡本無線電機の新中期経営計画に合わせ、中国にある4拠点では、ブロックの戦略会議を定期的に開催する。台湾、香港、深圳、上海の各拠点のリーダーで話し合いを行うワーキングを実施した。共通の課題や、各拠点で持っているそれぞれの機能を相互に活用する取り組みを推進する。

 また、各拠点で展開している特徴ある商材を各地で販売するなど、長所を生かした取り組みを強化。各拠点の強みを水平展開する。

 上海奥拓利電子有限公司の猪口大介総経理は「需要は引き続き旺盛で、注文数は多い。建設機材向けやインフラ向けなどはまだまだ伸びる要素も多い。工場建設なども多く、民需も伸びると見る。自動車や環境分野の取り組みも進め、関連する商材の需要を獲得したい」と語った。