2022.03.24 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 変革を遂げる中国の日経電子部品工場スミダコーポレーション番禺工場 スミダコーポレーション
桑原 EVP
試作ライン活用で迅速に新製品開発
スミダコーポレーションは、中国では番禺工場(広州市)を中核に7工場を展開。継続的な設備投資の実行、設計から量産までのさらなるスピードアップ、徹底した生産性向上により、付加価値の高い生産活動を展開している。
マザー工場の番禺工場は、プレス・成型金型の設計・製作や製品設計、生産技術開発などの機能を備え、同工場で確立した生産技術の各工場への展開や試作ラインを活用した迅速な新製品立ち上げなどを行う。
スミダコーポレーションの桑原正幸エグゼクティブ ヴァイスプレジデント(スミダグループ製造統括責任者)は、「21年は年間を通じて好調さが継続した。特に電気自動車(EV)関係が好調で、オンボードチャージャーやBMS、充電設備関連などで多くの引き合いがあった」と話す。中国工場は全工場でIATF16949認証を取得済み。
同社グループは万全なコロナ対策により、感染者を一人も出すことなく事業を展開している。
車載ビジネスは中国系EV向けや欧州系顧客の中国工場向けの供給などに力を注いでいる。「中国では自動車各社がEV比率を高め、さまざまな新興EV企業も台頭している。番禺工場には多くの設計技術者が在籍し、中国顧客とローカル技術者が一緒に設計・試作を行っている。番禺の試作ラインを活用し、素早い試作につなげている」(桑原EVP)。
欧州系顧客向けは、基本設計は欧州で行うが、製品の設計段階から中国設計チームが参画し、欧州開発チームと連携して中国で入手しやすい部材への切り替えを行うことで、コストダウンにつなげている。
車載以外では、第5世代移動通信規格5G関連(端末/基地局)や太陽光/風力発電向けにも力を注ぐ。中国で設計から量産まで一貫して行える強みを生かしていく。
22年度への取り組みについて、桑原EVPは「今後も需要に合わせて設備を増強する。材料調達先の複線化や新規開拓にも力を入れる。生産ラインの自動化・省人化もさらにレベルを上げていく」と話す。