2022.03.24 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 エレクトロニクス商社の中国営業戦略カナデン

川東 総経理

通信、電源、センサー3分野に注力

 カナデンは、エレクトロニクスソリューションズ・カンパニーとしてFAシステム、ビル設備、インフラ、情通・デバイスの4事業を柱に、国内のほか海外も中国・東南アジアを中心に事業を展開している。

 カナデン国際貿易(上海)は半導体・デバイスとFAシステムを主力事業とし天津、深圳に分公司を置いている。カナデン(香港)とも連携を取りつつ、日系企業を中心に事業拡大に取り組んでいる。

 カナデン国際貿易(上海)の川東礼総経理は「中国政府のゼロコロナ政策から、一部地域が突然のロックダウンとなるなど不安はあるが、製造業は活況が続いている。スマートフォンの新モデルの生産に向けた設備投資や5G関連、EV、新エネ、半導体などの投資も好調で、当社のビジネスにも寄与している。中国の内需拡大や新技術発展などの各種支援策により、特に半導体産業は活況を呈している」と話す。

 半導体・デバイスのビジネスは、四川省など内陸部の企業との取引もある。同総経理は「半導体・デバイスはパワー系が主力だが、ディスクリート品からコネクター、モジュール、ケーブルなど多様な種類を扱っている。特に通信、電源、センサーの3分野を注力分野として商材開拓、各種サポート体制の拡充を図っている」と述べ、既に中国リレーメーカーのトップ企業であるHongfa(福建省)の製品を取り扱っている。FAシステムは、PLCやACサーボなどのコンポーネント販売のほか、中国SIパートナーと協業し、省エネ・省人化ソリューション提案、環境関連の商材開拓を進めている。EV需要が増加しており、関連顧客からのコンポーネント引き合いが活発だが、納期対策に苦慮している。

 部品・部材不足は続くが、遅延部材、長納期部材が絞り込みされてきており一部で緩和されてきた部材もある。中国製造業の活況は、少なくとも今年前半(上半期)は現在の水準で推移するとみている。