2022.03.25 【関西エレクトロニクス産業特集】きんでん架空送電線撮像検査システム開発

架空送電線撮像装置による送電線点検状況

 きんでんは、電線を高精細に撮像し、深層学習(ディープラーニング)による画像解析で異常箇所を自動検出する「架空送電線撮像検査システム」を開発した。

 従来のシステムを設計から見直し、鉄道の架線検測技術を持つ明電舎と共同で、撮像した映像から深層学習で異常箇所を自動検出して報告書を作成する検査アプリケーションを新たに製作した。

 これらにより、撮像BOXを取り付けた自走式装置を使い、電線を撮像した後、目視で異常箇所を特定していた従来の点検方法と比べ、検出にかかる時間を大幅に短縮。疲労を軽減し、点検漏れを防止。撮像BOX内にLEDを配置し昼夜にかかわらず電線を高精細に全周撮像可能。

 明電舎の架線検測技術を用い、線種違いに影響されない検査、形状の異常検知に対応。学習データの蓄積による低誤検出率を実現した。

 同システムは、総重量46キログラムで分割組み立て式。300分の長時間連続使用が可能。適用線種外径7.8~18.2ミリメートル、走行速度12メートル/分(高速時)・3メートル/分(低速時)、走行可能傾斜乾燥時30度、湿潤時15度。

 自走式装置が走行不能になった際の架空線径間ダンパーに対応した支援自走機の開発を進めている。