2019.12.20 東芝 HOYAによるニューフレアのTOBに応じず

 東芝は20日、上場子会社で半導体製造装置を手がけるニューフレアテクノロジーの、HOYAによる株式公開買い付け(TOB)に応募しない方針を固めた。11月13日に公表した、子会社の東芝デバイス&ストレージ(東芝D&S)によるTOBの方針に変更はなく、HOYAのTOBには応募せず当初の条件での成立を目指す。

 政府が親子上場に伴う利益相反を防ぐ指針を示していることを受け、東芝プラントシステム、ニューフレアテクノロジー、西芝電機の上場子会社3社の完全子会社化を決めており、ニューフレアについては12月25日を期限に東芝D&Sが一株1万1900円でのTOBを進めていた。

 これに対し12月13日、HOYAが1株1万2900円でニューフレアのTOBを発表。東芝のTOBが成立しないことを条件に、20年4月に始めると表明した。

 ニューフレアはマルチビーム描画装置の開発において重要部品の共同開発を行うなど、東芝グループとの関係が深い。東芝の車谷暢昭会長CEOは、電波新聞社のインタビューで「ニューフレアテクノロジーは東芝と一緒でなければ生きていけない。東芝グループと一体になることで相乗効果が出せる」と強調。HOYAのTOBに関しては「理解できない」との考えを示していた。