2022.04.13 日系電子部品メーカー、中国工場の生産自動化加速
日系電子部品メーカーは、中国工場での生産自動化や省人化、工場全体のスマートファクトリー化に精力的に取り組んでいる。これにより、中国での若年労働者不足への対応や現地顧客の品質要求の高度化に対処することで、中国でのモノづくり力の向上を目指す。
中国には多くの日系電子部品メーカーが工場進出し、積極的な生産体制増強に努めている。一方で、中国では急速な経済成長やインフレの進展、労働者不足などを背景に、各都市でワーカーの賃金上昇が続いている。中国国内(香港を除く)で最も法定最低賃金が高い上海市のワーカーの月額最低賃金は2021年7月の改定で2590人民元(約5万円)まで上昇した。経済発展に伴い、最近は、若者の製造業離れなどが指摘されるケースも多くなっている。
このため、現地進出の日系電子部品メーカー工場では、生産工程の自動化・省人化を継続的に進めることで、従業員一人あたりの生産アプトプットの拡大に努めている。
特に最近は、組み立て工程の自動化に加え、多くの人手を要する検査工程の自動化や、自動搬送車(AGV)などを活用した搬送工程の無人化も進む。多様化するニーズに対応するため、より汎用性に優れた自動機の導入なども重視されている。自社の中国工場で使用する組み立て自動機や自動画像検査機などの内製強化のため、現地生産技術部門の拡充にも力が注がれている。
最近の中国では、顧客の調達部品に対する品質要求も一段と高度化している。電子部品各社は、生産自動化を通じて、ヒューマンエラーの排除や、品質レベルの一段の向上も追求する。
(4月14日付電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)