2022.05.26 「人とくるまのテクノロジー展2022 YOKOHAMA」開幕電子部品メーカー各社、最新技術を披露

京セラの路車協調システムのドライビングシミュレータ―

 5月25日に横浜市西区のパシフィコ横浜で開幕した自動車関連の専門展示会「人とくるまのテクノロジー展2022 YOKOHAMA」(主催=自動車技術会)では、多くの電子部品メーカーが出展し、最新の車載用電子部品や応用ソリューションを披露している。

 特に、次世代車両開発で求められる、安全運転支援機能の強化や、電動車の車体軽量化などに寄与する新技術やソリューションの提案に力が注がれている。

 京セラは、自動運転社会に貢献するソリューションとして、「路車協調システム」のドライビングシミュレーターを出品。自動車内に搭載するさまざまなデバイスやセンサーと、交通インフラに設置するITS路側機を活用し、通信技術を活用することで、自車から見通せない物体の情報を提供する。また、死角低減を目指した運転視界拡張のための技術として、「光学迷彩技術」を紹介した。ドライバーの死角となるダッシュボードやピラーなどを、同技術を用いて透明化させることで、死角の低減を実現できる。

 TDKは、車載向けの軽薄型低周波用EMCシールド材として、開発中の「磁性体シート IPM01シリーズ」を出品。低周波のシールド効果が高く、50マイクロメートルの薄さで、1ミリメートル厚のアルミ板と同等のノイズ抑制効果が得られる。これにより、自動車ボディーを炭素繊維に代替可能となるため、車体軽量化に貢献する。

 日本ケミコンは、カーボンニュートラルへの貢献として、チップ形導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサー(ハイブリッドコンデンサー)最新機種のモジュール化による車の軽量化提案を実施。通常のアルミ電解コンデンサーと比較すると、既存のハイブリッドコンデンサーでも車の軽量化が可能だが、既存ハイブリッドコンデンサーを最新機種の「HXFシリーズ」に置き換えることで、さらに大幅な軽量化が可能になるという。

日本ケミコンの最新ハイブリッドコンデンサーのモジュール化による電動車軽量化提案

 このほか、リチウムイオン二次電池(LiB)のサイクル特性向上や電極の高密度化が図れるLiB導電助剤「NHカーボン」も紹介した。

 SMKは、電波によりドライバーの心拍を読み取り、ドライバーの体調悪化の予兆や疲労度などをセンシングできる「電波式生体情報センサー」を出品した。24GHzミリ波レーダーを活用し、低侵襲・非接触で、心拍や呼吸、心拍変動などを把握できる。

 住友電工グループは、車載用バイタルセンサー「MONILIFE」による安全な車両制御や安心な運航管理サービスを紹介した。座席シートのクッションの中に同センサーを内蔵することで、人が着座した際の圧力変化から、着座した人の心拍数や呼吸数を推定し、推定したバイタル情報から、乗員の状態(居眠り予兆、健康リスク)を推定できる。

住友電工グループの車載用バイタルセンサー内蔵クッションによるデモ

 同展示会のリアル展の会期は5月27日まで(オンライン展は5月31日まで開催)。