2022.06.24 TSMC、つくばのR&Dセンター完成3D技術でエコシステム

披露されたR&D拠点

 ファウンドリー(半導体受託生産)世界最大手、台湾TSMCが、茨城県つくば市で整備を進めてきた後工程の研究開発拠点が、産総研内に完成。現地で24日、開所の式典や見学会があった。産官学の来賓らが多数招かれ、日台連携での取り組みをアピールした。

記念撮影に臨むCEO(左端)や来賓ら=茨城県つくば市

 従来の微細加工が物理的限界に近づく中、より高性能・多機能なSoCを実現するため、3次元実装をはじめ高度な後工程技術の重要性が高まっていることに対応。材料や装置に強みを持つ日本のメーカーや国内研究機関・大学と連携しつつ、最先の3DIC実装の研究開発を進める。クリールーム内のラインも公開された(撮影は不可)。

 式典で登壇したTSMCのシーシー・ウェイCEOは、世界的サプライチェーンの中で、日本と台湾の重要性を強調。「当社は日本企業とも長く密接な関係をつくってきた。今回のセンター設立への政府などの後押しに感謝する」と謝辞を述べた。

 また、萩生田光一経産相は「ここつくばが、グローバルイノベーションの中心地になり、わが国半導体産業に貢献することを期待する。TSMCの取り組みに期待している」と歓迎した。

 式典では、列席した政府与党関係者から「日本と台湾のすばらしい関係が、ますます深まるように」「そういうと恐縮だが、半導体で世界をリードしていた日本が凋落してしまった。そんな中で、今回のセンターができた」と歓迎する声が相次いだ。

 地元側からも、大井川知事が「(工場進出先の)熊本県より対応が悪いと言われないようしっかりサポートする」と、笑いを誘いながら企業誘致への期待を語った。
 (27日の電波新聞・電波新聞デジタルで詳報予定です)