2022.06.28 【複合機&プリンターソリューション特集】MPS/BPO
SDGsの観点からもMPSへの期待が高まっている
MPS セキュリティーなど強化で増加
コロナ禍、サイバーセキュリティーなど企業を取り巻く環境が厳しくなる中で、オフィスのプリンティング環境の最適化を実現するマネージドプリントサービス(MPS)が注目されている。MPSは、オフィスの出力環境の最適化を提案するサービスだが、セキュリティー、ガバナンスの強化などの対策として、導入する企業が増えている。
MPSでリーディングカンパニーの富士フイルムビジネスイノベーションは、「MPS Guardia(ガルディア)」を開始した。「出力状況を可視化して最適な出力環境を提案、継続的な改善活動を通じて、コストの最適化とセキュアな環境の維持を目指している。単に出力環境の改善にとどまらず、さまざまなところで働く環境になり、ガバナンス、セキュリティーの強化の要望が増えている。働き方の見える化のニーズが、新規のお客さまを増やしている」と、オフィスドキュメントサービス推進部の幸坂綾子サービス推進グループ1グループ長は強調する。
MPS Guardiaは、稼働状況や消耗品の状況、インシデントの情報をリモートで取得し、迅速に対応することで、顧客の出力に関する管理業務を軽減する。セキュリティーに関しても、リモートで集中管理しているため、セキュリティーポリシー違反への対応やファームウエアの更新などを迅速に行うことができ、セキュリティーとガバナンスを強化できる。
幸坂グループ長は「今後は、SDGsなど、環境面からもMPSを訴求していきたい」と話す。
リコーも「コストの最適化」「業務の軽減」「環境対策」「出力機器の有効活用」などでMPSを訴求している。同社では「コストの最適化だけでなく、業務プロセスの改善による本来業務へのシフトや環境対策のメリット」を上げている。
キヤノン、コニカミノルタ、東芝テックなど各社も、グローバルにMPSを展開する。キヤノンは全世界共通のマネージドサービス「キャノン・マネージド・ドキュメント・サービス」を提供。コニカミノルタは、出力環境最適化サービス「コニカミノルタ OPS」を全世界で提供している。
BPO 年平均4%弱の伸びを見込む
コロナ禍が続く不透明な経済環境の中で、企業はより本業へのシフトを加速している。こうした中、MPS同様にアウトソーシングサービスとして注目されているのが、企業の業務を受託するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスだ。
ノンコア業務をアウトソーシングし、本業に人的リソースなどを集中できるため、人材不足の課題を抱える中堅中小企業にはメリットが大きい。
BPOサービスは、IDCJapanの調査でも年平均4%弱の堅調な伸びを見込んでいる。
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、サービス型事業モデルの強化を進めており、この一環としてBPOサービスに注力している。大手企業から中堅・中小企業までの幅広い顧客層に対して、付加価値の高いソリューションを展開し、バックオフィス業務の受託も含めた顧客業務全般の効率化に寄与できるようサービスメニューの拡充に注力している。このほど、人事・給与計算業務のBPOビジネスに豊富な経験を持つキュービーファイブの子会社化で合意した。
同社は、特に年末調整業務のBPOについては高い専門性とサービス品質を備えた国内有数の企業。優れた業務オペレーションにより、品質を維持しながら短期間で60万人分の処理を実現するなど、顧客数を伸ばしている。
キヤノンMJはキュービーファイブの子会社化により、キヤノンMJグループの幅広い顧客基盤にキュービーファイブのBPOサービスを展開するとともに、キュービーファイブの知見や業務プロセスをグループのBPO事業に展開する。また、人工知能(AI)などの先進テクノロジーを活用した顧客業務の効率化につながる新サービス開発にも取り組む。