2022.07.01 【家電総合特集】BDレコーダー/プレーヤー買い替え需要中心に底堅い、新規獲得へ機能訴求

多チャンネル同時録画など専用機の良さを訴求し実売につなげていく

 ブルーレイディスク(BD)レコーダー/プレーヤー市場は、既存のレコーダー利用者からの根強い支持もあり、買い替え需要を中心に底堅く推移している。市場規模は大きく伸びないのものの、録画専用機にしかできない多彩な録画と視聴機能は「一度利用すると離れらなくなる」という声が聞かれるほどでメーカー各社も新製品を投入している。今後は録画専用機の良さをいかに未利用層に伝えていくかが課題で、新規の獲得が市場の成長を左右しそうだ。

 国内のBDレコーダー/プレーヤー市場はこの数年、年間200万台前後で推移している。主要テレビメーカー各社は毎年レコーダーの新製品を投入、買い替え促進と新規ユーザー獲得を目指している。最近はテレビに録画機能が搭載されるようになり、主要なテレビは外付けのHDD(ハードディスクドライブ)を接続すれば簡単に番組録画ができる。ただ多彩な録画や再生ができるのは専用機で、一度レコーダーを使った人は継続して使うケースが多い。

 最新モデルは新4K衛星放送の録画に対応した製品が増え、4Kチューナーを搭載した4K録画対応レコーダーも発売されている。4K録画や4Kでブルーレイディスクへの保存ができることは、専用機ならではの魅力の一つになる。主要各社のレコーダーは、チューナー数と記録できるハードディスク容量で階層を分けている。

 地上波だけでなく衛星放送も含め、2番組同時に録画しながらほかの番組を視聴できるトリプルチューナー内蔵モデルが多く、4K衛星放送チューナーを複数搭載し4K放送の2番組を同時録画ができる機種も出ている。

 さらに放送番組を丸ごと録画する全録モデルも人気が高い。地上波や衛星放送などの番組を丸ごと録画し続けることで録画予約忘れなどを防ぎ、時間に関係なく好きな番組が見られる。特に全録モデルは一度使うとやめられない人が多いという。全録モデルはTVS REGZAがいち早く発売した「タイムシフトマシン」が市場をけん引してきたが、現在はパナソニックやヤマダデンキが独占販売する船井電機も製品をそろえる。

 最近の新製品はインターネット接続により、おすすめ番組などを知らせする製品もある。番組数が多くて探すのが大変な人などにネット動画のように気付きを与えてくれるのも魅力だろう。

 録画しても見る時間がないという人に対しては、スマートフォンやタブレットに録画番組を転送し外出先で視聴したり、ストリーミングで外出先から録画番組を視聴したりもできる。時短再生機能を持つ製品もある。

 主要メーカー各社は、セット購入への提案なども進めている。録画視聴の楽しみ方を具体的に訴求できる売り場づくりで、実売につなげていくことが求められる。