2022.07.01 ヤマハ、ペンダント型のSPシステム開放構造の施設に対応

ペンダント型スピーカー「VXHシリーズ」

 ヤマハは、商業空間向け音響機器の新製品として、高い天井や吹き抜けなどの開放構造を持った施設への吊(つ)り下げ設置に最適なペンダント型スピーカー「VXHシリーズ」を8月に発売する。

 商業空間の中には、高天井や開放構造(吹き抜け)、傾斜した勾配天井で設計された施設があり、既存のサーフェスマウントスピーカーや、天井埋め込み型スピーカーでは物理的に設置が困難な場合がある。また、設置できた場合にも、スピーカーから再生エリアまで距離があることで、残響や不要な反射音の影響を受けて、本来の音響性能を発揮できないことがある。

 VXHシリーズは吊り下げて設置することで、再生エリアにとって最適な距離にスピーカーを配置できるので、このような空間にも快適な音が届く。ユニットが8インチ口径の「VXH8B/W」と、6インチ口径「VXH6B/W」の2モデルをラインアップしている。

 VXH8B/Wは、許容入力が360Wと比較的高く、公称指向角度が75度と狭いので、高い位置で吊り下げても音が下まで十分に届く。VXH6B/Wは、許容入力が300W、公称指向角度が120度と広いので、比較的低い位置で吊り下げる用途で設計されている。2モデルとも、それぞれブラックとホワイトの2色のカラーバリエーションを持ち、空間のインテリアに合わせて選ぶことができる。

 VXHシリーズは、人間工学に基づき見た目の圧迫感が少ない、円形状の筐体(きょうたい)を採用しており、下から見上げた際に目立ちにくい、空間に溶け込むデザインとなっている。また、多様なインテリアに調和するため、筐体の上から塗装することもできる。

 屋外での使用も想定した防水規格IP45に準拠しているほか、持ち運び時に便利なキャリングバンドを備えており、設置時に簡単かつ安全に高さを調節できるGRIPPLE社のスピーカー吊り下げ用キットが付属している。

 VXH8が7.2キログラム、VXH6で5.7キログラムとペンダント型スピーカーの中では比較的軽量。ハイインピーダンス・ローインピーダンスの両接続に対応し、スピーカーの入力ワット数はタップセレクターにより設置後でも簡単に切り替えができる。これにより、ユニットの追加を最小限に抑えることができ、設置制約の多い商業空間で音響に求められるニーズに合わせたシステム設計を実現する。

 価格(税込み)は、VXH8B、VXH8Wが6万6000円、VXH6B、VXH6Wが5万5000円。