2022.09.14 【INTERMEASURE特集】オーバル 「ミスター省エネ」対応の耐圧防爆形無線通信ユニットを紹介

耐圧防爆形「ミスター省エネ」無線通信ユニット

 オーバルは「ミスター省エネ」対応の耐圧防爆形無線通信ユニットを展示する。

 セイコーインスツル(千葉市美浜区)が開発したミスター省エネは、920メガヘルツ帯を使用した総合無線センサーソリューション。温度や湿度、照度、CO₂、電力、電流、パルス、バイタルなどの現場情報を一元収集できる。オーバルとの協業で、流量センサーにも対応が可能になった。

 工業分野では無線ニーズがあり、特に石油会社や化学会社では「防爆」の要求があることから、今回、耐圧防爆形のミスター省エネ対応無線通信ユニットを開発した。

 防爆エリアでは本質安全防爆の無線通信機器を用いて無線通信できるが、本質安全防爆では接続する全ての電気回路を防爆仕様とする必要があり、汎用(はんよう)の計測機器と組み合わせることが難しかった。

 耐圧防爆形であれば、汎用計測機器と組み合わせ、ボイラー燃料や蒸気、工業用水などのユーティリティー流体の計測や設備の稼働状態の監視を行い、保全業務を効率化できる。

 無線通信機器は一般に、通信性能を確保するため筐体(きょうたい)外部にアンテナを露出させるため、構造的に耐圧防爆とするのが難しい。2.4ギガヘルツ帯域を採用する従来の工業用無線はリアルタイムでの通信が可能な一方で、長距離通信が難しく、多数の中継器を必要としていた。

 障害物にも強い920メガヘルツ帯域を利用することで、アンテナを筐体内に納めた耐圧防爆形の無線通信機器が可能となった。独自技術で筐体全体がアンテナ効果を発揮するため、360度に発信でき設置性にも優れる。汎用計測機器と組み合わせ、防爆エリアでの無線データの収集ができるようになった。

 920メガヘルツ帯域は、従来の工業用無線やWi-Fiと比べて通信速度は遅いが約100メートルの通信が可能。中継器の設置数を減らし、設備監視用ネットワークの導入費用を抑えられる。高速応答が求められず、数分間隔の計測で目的を満足できる監視用途などに適している。