2022.09.14 日立、「ジョブ型インターンシップ」拡大 事務系も殺到、応募倍率50倍

日立製作所の人事部門によるジョブ型インターンシップに参加する都内大学3年生(左奥)=14日、東京都千代田区の日立本社

 日立製作所は、職場で体験する業務や必要な能力を明示して就職活動を控える学生らを受け入れる「ジョブ型インターンシップ(就業体験)」の対象職種を今夏から事務系にも本格的に広げ、14日にその活動の一端を報道陣に公開した。昨年度から実施している技術系インターンシップと同様に人気を博し、約20人の募集枠に対して約1000人が応募した。

 日立は2021年度からジョブ型インターンシップを本格化させ、技術系を中心に約300人の学生を受け入れた。今夏からは、事務系を含む新卒採用の全職種に拡大。今年度は、事務系と技術系の合計で約400人の学生を受け入れる計画だ。

 事務系の体験期間は2週間~1カ月程度で、募集した職種は経理や人事など。職場で取り組むテーマや求めるスキルなどを記した「ジョブディスクリプション(職務記述書)」を学生に明示して募ったところ、文系大学学部に在籍する3年生や修士課程1年生を中心に応募。約50倍の狭き門をくぐり抜けた約20人の受け入れを決めた。

 就職活動を巡る学生の意識が「就社」から「就職」に変化しつつある中で日立人事勤労本部の担当者は、「実務経験をインターンシップで積んで即戦力になりたいという考え方の学生も増えてきている」と強調。就職先で初期に積むキャリアを重視する学生側と企業側のニーズがミスマッチとなるリスクを減らし、「各ジョブに適した優秀な人材の獲得につなげたい」考えだ。

(16日付、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)