2022.09.15 東芝取締役会議長が株主へ声明 企業価値最大化へ「あらゆる選択肢検討」

 東芝の渡辺章博取締役会議長は15日、6月発足の新しい取締役会を代表し、株主に向けたメッセージを公表した。この中で渡辺氏は、「企業価値の最大化の実現に向け一致団結し、真剣に取り組んでいる」と決意を表明。株式の非公開化を含む経営再建策の検討状況にも触れ、「取締役と経営陣は特定のステークホルダー(利害関係者)のバイアスをもたず、あらゆる選択肢を検討している」とも記した。

 東芝が5月末を期限に再建策を公募したところ、国内外の投資ファンドから計10件の応募があった。7月中旬には、受領した提案を総合的に評価して第2次の入札過程に進むパートナー候補を選定したと公表。2次入札には4陣営が進んだとみられる。現在、提案の2次審査を進めている。

 さらに渡辺氏は「現在の潜在的な投資家およびスポンサー候補との話し合いは、公正かつ透明性が高いプロセスに従って真摯に進めている」とも強調。新しい取締役会については、「強い東芝をつくるという共通の使命感のもと、多様なバックグラウンドをもつメンバーが個々の視点を生かし、一つのチームとして活動している」と言明。さらに、取締役12人は「いずれも世界最高水準のメンバー」と自信も示した。

 6月下旬の定時株主総会後に召集された取締役会で、企業のM&A(合併・買収)助言会社フーリハン・ローキー元会長の渡辺氏が、取締役会議長として選定された。