第72回カンヌ国際映画祭の脚本賞とクィア・パルム賞をはじめ、各国の映画賞を59受賞した映画「燃ゆる女の肖像」（2019年）のセリーヌ・シアマ監督による最新作。

　大好きな祖母を亡くした8歳のネリーは、両親と共に森の中にぽつんとたたずむ祖母の家を訪れる。

　母が少女時代を過ごしたこの家を片付けるなか、母は何も言わずに一人でどこかへ出て行ってしまう。残されたネリーは、かつて母が遊んだ森を探索するうちに、母の名前「マリオン」を名乗る自分と同い年の少女に出会う。彼女の家に招かれると、そこは“おばあちゃんの家"だった――。

　娘と母、祖母という世代を超えた3人のつながりが、時空も超える。ネリーとマリオンを演じる映画初出演のジョセフィーヌ&ガブリエル・サンス姉妹が、大きな喪失の中にある癒しを存分に表現する。

　撮影は「燃ゆる女の肖像」でセザール賞を受賞したクレア・マトンが担当。その映像美も堪能できる。

　23日からヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国で順次公開。