2022.09.23 【この一本】 「犬も食わねどチャーリーは笑う」(配給:キノフィルムズ)

©2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う"FILM PARTNERS

 「夫婦げんかは犬も食わない」という言葉を何度も思い起こさせる作品。物語の主人公は裕次郎(香取慎吾)と日和(岸井ゆきの)。

 一見仲むつまじい結婚4年目の夫婦。鈍感夫にイライラする日和は、積もりに積もった鬱憤(うっぷん)を吐き出すため、SNS「旦那デスノート」を利用する。そこには妻たちによる旦那たちが見たらゾッとするような投稿がびっしり書き込まれていた。

 ある日、裕次郎も旦那デスノートの存在を知ってしまう。自分のことかと気になる投稿のペンネームは「チャーリー」。日和と一緒に飼っているフクロウの名前もチャーリーで…。

 ブラックユーモアあふれる投稿は、妙にリアルでクスリと笑える。夫婦の誤解やすれ違いにもどかしさも感じるが、愛らしい人柄にハッピーエンドを望みたくなる。

 裕次郎の同僚役には、井之脇海、的場浩司、余貴美子といった名バイプレイヤーを起用。夫婦のバトルを盛り上げる。監督は「台風家族」(2019年)などオリジナル脚本でも勝負する市井昌秀。

 23日からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開。