2022.09.29 【部品メーカー・商社ASEAN特集】おおとりタイランド(岡本無線電機)、IoT用途の通信モジュール拡販

青石ディレクター

 岡本無線電機は、4月から海外拠点同士の連携強化を図っている。海外拠点の一つ「おおとりタイランド」は、アジアエリアの拠点と定期的に情報共有を行っている。共有情報をもとに、今後の取り組みや課題解決に向けて取り組んでいる。

 おおとりタイランドは2004年4月に拠点を開設。今年で19年目を迎える。スタッフはセールス4人を含め、12人のスタッフ体制。

 主に、空調機器向け、住宅産業向け、産業機械向け、自動車向けなどに注力。現地のセールスマンなども採用し、地元企業の開拓にも注力している。

 22年4月から8月までの実績は、トータル前年比122%で推移している。特に、エアコンはASEAN、EU向けなどが好調。また、住宅設備向けも昨年に引き続き好調に動いている。一方、自動車は、昨年来の半導体不足と中国ロックダウンの影響を受けて落ち着いた状況が続いている。

 おおとりタイランドの青石和也ディレクターは「昨年に引き続き、部品の長納期化が改善されず、納期調整に奔走することが多かった。最近では中国リスクを考えて、タイに生産を移管される顧客もあった」と話す。

 同社では、今期の重点取り組みとして①車載、エアコン市場への取り組み強化②現地サプライヤーとの協力関係強化③加工ビジネスの営業強化―を掲げた。

 車載、エアコン市場に向けてはローカルセールスを育成し、サービス品質を向上。日本と情報連携を行い、タイ現地でもVE・VA提案を行う。

 「下期には現地スタッフを1人増員する予定」(青石ディレクター)。また、現地仕入れを増やし、現地商談の増加も目指す。

 4月からシンガポール、タイ、マレーシア、ベトナムの各拠点でワーキング活動をスタート。情報交換を活発化させ、成功事例、課題の共有化を図っている。相乗効果を生み出し、ベースアップに向けて取り組んでいる。

 青石ディレクターは「共有化した情報をもとに通信とセンサーを使ったシステム提案を推進しようとしている。主に工場向けIoT用途で通信モジュールを拡販したい。また現在、日本で展開しているWeb展示会を活用して現地の顧客にも紹介。新たな需要を掘り起こしたい」と今後の抱負を語った。