2022.09.28 メタバース市場開拓へ NTTドコモが攻勢、事業会社が10月始動

XR事業の新会社「NTTコノキュー」のロゴを紹介する丸山社長=28日、東京都千代田区の大手町三井ホール

 NTTドコモは28日、現実世界と仮想世界を融合して新たな体験をつくり出す技術「XR(エクステンデッド・リアリティー)」を生かした事業を10月1日に始めると発表した。XR事業は全額出資の新会社を通じて推進。インターネット上に構築する仮想空間「メタバース」の関連事業の拡大も目指す。

 新会社の名称は「NTTコノキュー」で、資本金は1億3500万円。NTTドコモは「XR事業企画」を6月に設立し、今回の本格事業化に踏み切った。

NTTドコモの発表会でパフォーマンスを披露した人気アイドルグループAKB48 初のリアル・バーチャル混合ユニット「AKB48 SURREAL」。NTTコノキュー提供のメタバース内で活動する=28日

 新会社は、NTTグループのXR事業をけん引する役割を担う。グループ各社から人員を結集し、約200人体制で始動。採用を含めて順次増員する。事業拡大を目指し、約600億円を投入する計画も明らかにした。

 NTTグループの顧客・営業基盤や技術力などを活用したXR事業を個人と法人の双方に展開。ビジネス向けでは、製造や流通など幅広い分野の業務変革につなげるという。

 東京都千代田区で開いた記者発表会で、NTTドコモ副社長などを経て新会社の社長に就任した丸山誠治氏は「サービスはもちろんのこと、ネットワークやデバイスを含めて一体で提供していく」と強調。コンテンツやサービスを魅力的にする利用者目線のXRデバイスの開発にも意欲を示した。

 (30日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)