2022.10.12 政府が「医療DX推進本部」初会合 工程表を23年春に策定へ

 政府は12日、医療分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す「医療DX推進本部」を立ち上げた。省庁横断で取り組む医療DXの道筋を示す工程表を2023年春をめどに策定。近くまとめる総合経済対策に盛り込む方針も表明した。

 同日に首相官邸で開いた第1回会合で本部長の岸田文雄首相は、「医療分野でのデジタルトランスフォーメーションを通じたサービスの効率化や質の向上により国民の保健医療の向上を図るなど、わが国の医療の将来を大きく切り拓いていく」と強調。その際、医療界や産業界とも一丸となって取り組む必要性についても強調した。

 医療・介護分野のDXは、6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太の方針)で言及。オンライン資格の確認などで使用するシステムのネットワークを拡充し、医療全般の情報を共有・交換できるようにする「全国医療情報プラットフォーム」を創設すると明示。さらに、「電子カルテ情報の標準化」や「診療報酬改定DX」といった取り組みを行政と関係業界が一丸となって進める方針も盛り込んだ。

 初会合で岸田首相は、全国医療情報プラットフォームの創設や電子カルテの標準化などの施策を中心に、「スピード感をもって取り組むための工程表を策定すべく議論してほしい」とも呼びかけた。

 推進本部には、下部組織として幹事会を設置。3回程度の議論を経て、来年春の第2回会合までに工程表の案をまとめる予定だ。

 推進本部は関係閣僚で構成。初会合には、松野博一官房長官、加藤勝信厚生労働相、河野太郎デジタル相らも参加した。