デンカは25日、セメント事業からの撤退を発表した。新潟県糸魚川市を拠点とする生産事業を終了させ、販売事業は業界最大手の太平洋セメントに譲渡する。環境関連や高付加価値インフラなどを重点化する事業再構築の一環。

　デンカは戦後、セメント事業に参入し、70年近く手掛けてきた。しかし、国内セメント需要が低調に推移する中、単独運営による事業の維持・成長は困難と判断した。業界最大手の太平洋セメントに、販売事業を承継することにした。

　人員整理はせず、セメント事業に所属している社員は重点分野などへ配置転換する。

　デンカはコロナの検査キットなどでも知られている。ポートフォリオ変革の一環として、重点分野の「環境・エネルギー」「ヘルスケア」「高付加価値インフラ」へ経営資源を積極投入している。

（27日の電波新聞／電波新聞デジタルで詳報します）