2020.01.17 【年頭所感】マイクロマシンセンター 長谷川英一専務理事
長谷川専務理事
産官学結集で国・NEDO主導の技術研究開発プロジェクト推進
本年の世界情勢としては、米中貿易摩擦等の不確実性が残っているが、国内では「令和」の代を迎え、東京2020オリンピック・パラリンピックによる経済効果が期待されている。
オリンピックを支える技術としては、「AI」「4K」「5G」を核にして「スマートホスピタリティ」「次世代都市交通システム」「新・超臨場感映像システム」などの開発が積極的に行われている。
マイクロマシンセンターは、これら新技術に不可欠なスマートセンサーを支えるマイクロマシン・MEMSなどのナノマイクロ分野に関わる基盤技術の確立を図るべく産官学の力を結集し、国やNEDO主導の技術研究開発プロジェクトを推進している。
最近では、今後期待される人間の五感を補うセンサーとして、人間が捉えられない物理量や化学量を捉えるセンサーが重要との観点から、革新センシング基盤技術の研究開発に注力し、昨年、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「IoT社会実現のための超微小量センシング技術開発」の公募に参画した。
その結果、「血中成分の非侵襲連続超高感度計測デバイス及び行動変容促進システムの研究開発(BaMBI=Non-Invasive Blood analytic Monitor for Behavior Improvement System)」と「薄膜ナノ増強蛍光による経皮ガス成分の超高感度バイオ計測端末の開発(SNIF:Skin volatile biosensor based on Nano-Integrated Fluorometry)」という2テーマを獲得し、研究開発にまい進している。
さらに、これらの研究開発を支えるMEMS試作ファウンドリとして、11年に開設したつくばの「マイクロナノオープンイノベーションセンター(MNOIC)」を運営し、これまで企業・ベンチャー、国研・大学も含む100近い機関からの研究や工程の受託を行ってきており、現時点でもフル稼働の状況にある。
本年度は引き続き革新センシング技術の研究開発を進めるとともに、その基盤となるMEMS技術を社会が求める「Society5.0」のキー技術と捉え、新たな技術開発やそれらの広報・普及に努めていく。
MEMS技術の広報・普及活動の一環として、主催している「MEMSセンシング&ネットワークシステム展2020」が29-31日まで、東京ビッグサイト西ホールにて「ナノテック2020」と同時開催されるので、多数のご来場をお待ちしている。