2022.12.01 【抵抗器技術特集】KOA、自動車関連からコンシューマー向け機器まで幅広い用途の抵抗器を提供

【写真1】SG73P

【写真2】HSG73P-AT【写真2】HSG73P-AT

【写真3】TLR【写真3】TLR

【写真4】TLRZ【写真4】TLRZ

【写真5】UR73V【写真5】UR73V

【写真6】WU73【写真6】WU73

【写真7】RN73H【写真7】RN73H

 KOAは、高い信頼性を必要とする自動車関連機器から、近年注目されるIoT関連機器、インバーターなどの環境・省エネ関連機器、コンシューマー向け機器までさまざまな用途に向け抵抗器を提供している。近年、これら機器の部品点数の増加や高密度化が進んでおり、搭載される抵抗器においてもさまざまな要求が増加している。

小型化・高電力化に対応

 汎用(はんよう)チップ抵抗器の小型化・高電力化の要求に対し、耐パルスチップ抵抗器SG73Pシリーズ(写真1)を推奨している。SG73P1EWは1005mmサイズとして業界最高レベルとなる定格電力0.25W(弊社汎用チップ抵抗器2012mmサイズと同等の定格電力)を実現し、弊社汎用チップ抵抗器1005mmサイズの約2倍の優れた耐パルス特性(ワンパルス限界電力)により、パルス電力が印加される電源回路などにおいて採用され機器の小型化・高電力化に貢献している。

高耐熱チップ抵抗器

 熱環境の厳しい車載ユニットや、温度変化が繰り返される過酷な環境で使用される機器では優れた耐熱性や接続信頼性の要求に対し、高耐熱チップ抵抗器HSG73P-ATシリーズ(写真2)をラインアップしている。

 最高使用温度175℃環境下で定格電力の10%まで印加可能、-55℃/+175℃のヒートサイクル試験1000サイクルを保証し機器の信頼性向上に貢献している。

電流検出用抵抗器

 モーターやバッテリー、DC-DCコンバーターなどでは電流を制御するための電流検出用抵抗器が必要になる。省電力を目的としたパワーマネジメント向けの低抵抗器として豊富な種類・サイズを取りそろえている。金属板タイプでは専用抵抗材料と銅を接合したシンプルな構造のTLRシリーズ(写真3)をラインアップしている。

 0.5mΩ~20mΩ、抵抗値許容差±1%、抵抗温度係数±50×10-6/Kであり、低抵抗値の電流検出で影響が出る寄生インダクタンスを極力排除しているため高精度な電流検出が可能である。また、2012mmサイズで1W、3216mmサイズで3W、6432mmサイズで5Wと小型・高電力化により最大100Aまでの電流検出を可能としている。さらにジャンパー抵抗器として大電流、低抵抗かつ高熱容量化に対応したTLRZシリーズ(写真4)をラインアップしており、1005mm~3216mmサイズで最大50Aの定格電流を実現している。

 厚膜タイプでは100mΩ以下の抵抗値領域において、UR73Vシリーズ(写真5)と長辺電極タイプのWU73シリーズ(写真6)をラインアップしている。

 抵抗温度係数±75×10-6/Kを実現しさまざまな機器の電流検出を可能にしている。

 高精度抵抗の要求に対し、金属皮膜チップ抵抗器RN73Hシリーズ(写真7)をラインアップしている。抵抗値許容差±0.05%~、抵抗温度係数±5×10-6/K~という精度を保ちながら、温度範囲-55℃~+155℃(定格周囲温度85℃)で使用が可能である。KOAではさまざまなアプリケーションの要求に対応する製品開発、提案を行っていく。〈KOA(株)〉