2022.12.15 ふだんは透明、紫外光では発光の蛍光体 東芝開発、気づかれにくい「透明QRコード」にも

蛍光体のイメージ

 普通の光のもとではは無色透明で、紫外光下では強く発光する。そんな「透明蛍光体」を東芝が開発した。

 蛍光体は、原子・分子・イオンまたは電子が、紫外光や可視光など外部からの光のエネルギーを吸収し、エネルギーの異なる光を放出する材料。

 LEDや液晶のバックライトなど様々な製品に使われるが、一般的に使用されている無機蛍光体では色再現能力に限界があり、発光強度が弱いことが課題となっている。

 東芝は今回、独自の分子設計手法を活用し、蛍光体を開発。発光強度は従来技術の約6倍となっている。

 想定するうち、ミニ/マイクロLEDや、ミニ/マイクロLEDディスプレーは、極小・極薄でデバイスの小型化にも貢献する。

 さらに、高度なセキュリティー印刷への応用もある。印刷物の偽造を防止する目的で行われるもので、偽造印刷物を発見しやすくするため、印刷物に特殊な加工やデザインなどを施す。

 開発した透明蛍光体は、室内光下では無色透明で気づかれにくく、判定する側にだけわかるい「透明QRコード」といったセキュリティー分野での応用も期待できる。

 (16日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)