2023.01.01 【AV総合特集】各社の23年事業戦略 KEF 福島真澄ディレクター

福島 ディレクター

「ハイ・フィデリティ」を訴求
直営店の没入感体験で浸透へ

 当社は、英国発祥のブランド。1961年、ケント州の元BBCエンジニア、レイモンド・クックが設立したのが始まりで以来、優れたリスニング体験提供を使命に、同州で代表的な製品を開発・製造してきた歴史がある。

 初期の合成素材採用から、業界標準となっている先駆的なリファレンス・シリーズまで、技術革新やデザイン、クラフトマンシップの基盤などで、スピーカー設計の基準となる製品を開発。現在は本社は香港に置き、グローバルに展開している。

 革新的スピーカーやサブウーハーは、ワイヤレス・スピーカー、ポータブル・スピーカー、ヘッドホンなどのコレクションへ進化させてている。

 特にこだわるのは、原音に近いサウンドで部屋中を満たし、オーセンティックなサウンドスケープでリスナーに感動を与える存在であり続けること。Hi-Fi(ハイファイ)と略されることも多いが、「フィデリティ」は「誠実、忠実」といった意味だけに、当社は「ハイ・フィデリティ」と訴求している。

 スピーカーは通常、左右の中心といった「スイートスポット」が決まっているが、当社は独自技術で、スイートスポットが広く、聞く場所を選ばないのも特長。場所を選ばないワイヤレススピーカーシステムは、まさにハイ・フィデリティサウンドをライフスタイルに合わせて堪能できる。

 特に昨年は、60周年記念の一環としてローンチした新コレクション「LS60 Wireless」が好評。著名なインダストリアル・デザイナー、マイケル・ヤング氏と当社のチームが共同開発したもの。コロナ禍で本来の60周年(21年)より後の展開にはなったが、ゲームチェンジャーになった。あらゆるストリーミングサービスもサポート。有線接続オプション付きでレコードプレーヤーやゲーム機、テレビに直接接続できる。88万円(税込み)という価格も好評の一因だ。

 また「LSX Ⅱ」は数々の賞を受けているオリジナルのLSXシリーズの後継で、優れた音響技術を採用。デザインについては、同じくヤング氏が共同企画した。優れたリスニング体験を提供する技術革新とコネクティビティーもアップデート。W2ワイヤレスプラットフォームや接続オプション、幅広いストリーミングなど、最小限の操作で楽しめる。テレビや各種パソコン、ゲーム機、レコードプレーヤーなどへの接続もできる。

 品質には自信があるが、必ずしも浸透しきれていなかった。こうした製品群を訴求するため、きめ細かいマーケティングを展開する方針だ。

 具体的には、直営の店舗、大手の量販店、専門店などにセグメントしてお届けし、訴求していく。それぞれに一番フィットする製品のラインアップを配置し、興味を持ってもらうようにしたい。例えば、直営店では体験を一層充実させ、没入感を体感してもらう。量販店では、ある程度手の届きやすい製品を中心にする、といった具合だ。

 外部とのコラボ、メタバースの展開なども含めて幅広くアピールし、またファン層の裾野を広げていく年にしたい。ファンのコミュニティーづくりも進めていきたい。