2023.01.03 【暮らし&ホームソリューション特集】’23展望 掃除機

清潔志向の高まりで、コードレススティック掃除機に関心が集まる

コードレススティック型の人気続く

 コロナ禍で在宅時間が増えて、室内の清潔・快適性向上には強い関心がある。新しい生活様式が浸透したことで、掃除スタイルが変化し、掃除の頻度が増えたユーザーが多いようだ。

 パナソニックのアンケート調査(2022年5月/n=1227人)によると、掃除をする頻度のトップが「毎日」(30.3%)、次いで「2~3日に1回」(28.4%)となり、毎日掃除する人が約3割に上る。

 このため、コロナ禍に見舞われた20年度は出荷台数が2桁成長するなど弾みがつき、21年度も前年増で推移、22年度に入っても好調を持続している。

 近年、掃除機において主役となっているのは、軽量で取り回しに優れたコードレススティック掃除機で、各社から軽量かつハイパワー、デザイン性に優れた製品が投入され、市場が盛り上がる。23年も引き続き、清潔ニーズを背景に安定した需要が見込めそうだ。

 掃除機市場は、コロナ禍に見舞われた20年度、5年ぶりに増加に転じ、前年比11.8%増の488万4000台(日本電機工業会=JEMA調べ)と2桁伸長した。

 21年度もこの高水準を維持し、通期の出荷台数は前年比101%の493万1000台と、2年連続のプラスとなった。

 縦形スティック掃除機がけん引し、JEMAによるとコードレス化、高性能化、軽量化など利便性の向上や、消費者の清潔意識の高まりから好調に推移したと分析する。

 22年度に入って11月までの累計出荷台数は、前年同期比で122.6%の378万8000台と、さらに弾みがついている。

 市場では、今やキャニスター型掃除機(紙パック式/サイクロン式)も含めた掃除機全体の中で、約7割がスティック型となっており、完全にメインの掃除機に置き換わったといえる。

 掃除機の買い替えサイクルは約7年といわれ、7年前はキャニスタータイプの掃除機が約7割を占めていたことから、今後今使っている掃除機を買い替える際には、スティック式(コードレスタイプ)に買い替えるユーザーが多くを占めることになりそうで、需要は伸長が続きそうだ。

 近年コードレススティック掃除機では、メンテナンス性、インテリアに映えるデザインの採用、さらなる静音性など、幅広いニーズに対応した商品開発が活発となっており、23年も引き続き投入されると考えられることから、市場は活気づくとみられる。