FUJIは電子部品実装ロボットを中心としたロボットソリューション事業を主力に展開している。

　ロボットソリューション事業においてはFSF（FUJIスマートファクトリー）を進化させながら、SMTを核にした生産自動化の提案をグローバルに推進している。

　曽我信之会長兼社長は「2022年はロシアのウクライナ侵攻に世界経済が翻弄され、また部材不足と資材価格の高騰に悩まされた一年だったが、実装機の主力市場である中国市場が大きく冷え込むことはなく、当社の事業は堅調に推移した。23年はスマートフォンをはじめとする通信関係の需要は伸び悩むが、車載や産業機器向け需要は安定推移するとみている。世界的にDXがますます進展する中、基板実装の需要は中期的に世界で確実に増え続ける。ただ、23年については世界経済を下押しする多くの要因が複合的に絡み合い、大変厳しい状況となるだろう」と話す。

　23年はSMTラインのプラットフォームとして実装機「NXTR」を市場に本格投入する。NXTRでは、生産スケジュールに合わせAMRがフィーダーを自動搬送し、スマートローダーが各マシンの生産を止めることなく自動的に電子部品を補給する、などSMTラインの全自動化を実現する。

　曽我会長は「賃金上昇に加え安定した人手の確保は難しく、ラインの自動化から工場全体の自動化要求がより強くなる。FSFによる省人化に向けた取り組みを加速させる」と意気込む。後工程の異形部品の挿入工程などを自動化するモジュール型汎用（はんよう）自動組み立て機sFAB-D/SHや小型多関節ロボットSmartWing、ロボットセルSW-BAの活用なども提案する。

　ロボット技術を応用した宅配ロッカーシステム、移乗サポートロボット、大気圧プラズマユニットも着実に実績を伸ばしている。

　ロボットソリューション事業の主力生産拠点である岡崎工場（愛知県岡崎市）に、最新のロボット技術やIoT技術を導入した最先端の新工場棟を建設し、24年9月の操業を予定している。完成すれば生産能力が1.5倍の増強になる。