2023.01.10 【製造技術総合特集】三菱電機 FAシステム事業本部機器事業部 FA制御システムを成長事業に 必要なソフトウエアを拡充
古谷 執行役員
三菱電機は5つの重点成長事業を掲げシーケンサー、サーボ、CNCを核とした「FA制御システム」がその一翼を担う。
FAシステム事業本部機器事業部は回転機、配電制御機器、コントローラー、駆動制御機器、産業用ロボットなどを担当し、国内のほか海外に進出している日系企業の支援も行っている。
古谷友明執行役員FAシステム事業本部機器事業部長は「2022年は17年、18年に比較すると1.5倍以上の生産量だったが、半導体や部材不足の影響を受けて納期で迷惑をかけた。半導体の調達は緩和されつつあるが、特定の半導体が入らず仕掛け在庫が増えるなど、納期対応に全力を挙げる状況が続いている」と話す。
23年については「米国の対中国のEAR強化、半導体製造装置の動向など懸念材料はあるが、自動車の電動化に伴うリチウムイオン電池や、カーボンユートラルに対する投資などが期待できる。グローバルで捉えれば製造業の自動化、省人化は中長期的に不可欠であり、FA事業を成長させる基盤になる」と述べる。
同機器事業部はバッテリー、EV、スマートフォン、FPD、半導体、データセンター、物流、3品(食品、薬品、化粧品)を「8重点分野」として事業を推進している。
古谷事業部長は「個々の製造業の本質的な課題をデジタル技術で分析し、その解決をデジタル技術でお手伝いするデジタルマニュファクチュアリングを事業戦略の核に据えて、そのために必要なソフトウエアを拡充している」という。
ソフトウエアは「SCADA GENESIS64」「GX VideoViewer Pro」「MELSOFT MaiLab」「MELSOFT Gemini」などをこれまでに提供している。
MELSOFT MaiLabは、人の「勘」や「経験」をデジタル技術に置き換え、制御システムへの組み込みを簡単に実現する。
FA事業の生産拠点としてインドや愛知県尾張旭市に新工場を設ける。旧京都製作所(京都府長岡京市)では一部の小型シーケンサーの生産を始めている。