2023.01.12 【計測器総合特集】テクシオ・テクノロジー 鄧 宗輝社長
鄧 社長
各国拠点で情報共有 新製品開発や提案を図る
テクシオ・テクノロジーは2022年10月に設立10年を迎えた。鄧宗輝社長は「この間、売り上げは安定してきており、新製品も継続的に発表できた。親会社(グッドウィルグループ)にも評価してもらえたと思う」と自信を見せる。
22年は半導体をはじめとする部品不足や納期遅延などの問題に直面したが、 グループの海外供給網を生かし、「売上高は2桁以上の成長で過去最高業績の達成を果たした」と話した。
深刻な部材不足に苦しんだ機種があった一方、電源や耐圧試験器、マルチメーター、電子負荷装置といった主要製品は「頑張って供給できたのが大きかった」(鄧社長)。
受注残は、半年先の納期など前倒し発注もあったものの、例年に比べて5割増に膨らんでいる。
好調の要因は自動車の電動化に伴う電源などの計測器需要だ。民生向けでも、近年注力する交流電源が業績に寄与し始めている。
回生型双方向電源は昨年から本格的に販売を開始した。
電力回生型電子負荷装置も合わせて、EV(電気自動車)も含むパワーエレクトロニクス関係にアピールできる商品ラインアップとなった。鄧社長は「新しい市場を開拓できる商品」と自負する。
グッドウィルが買収した電子負荷専門メーカー「PRODIGIT」の製品も、これまで縁の薄かった市場へのアプローチが期待できる新たな商材だ。
回生双方向電源など新たなジャンルを切り開く商材をそろえたことで文教関係へのアプローチも変化した。パワエレやEVなど産学連携の研究室に対する働き掛けを始め、今後も強化していく。
グループ全体の新中期計画は23年度からスタートする。ソリューション提案の強化施策として日本と台湾、中国、韓国の拠点に専門チームを配置し、各国の情報を共有しながら新製品の開発や提案につなげる試みを開始する。
「この10年間はお客さまや協力してくれた代理店の信頼を取り戻すために奔走した」と振り返る鄧社長。
新たな10年の始まりとなる23年以後も「支援いただいた皆さまに恩返しをして、お互いに成長できるよう努めていきたい」と前を向く。