2023.01.17 【半導体/エレクトロニクス商社特集】飯田通商 山﨑隆博社長

山﨑 社長

中国、ASEANなど 拠点拡充で海外事業強化

 飯田通商は、1965年の設立以来、地道な活動を積み重ね事業を拡大し、現在は国内のほか中国、ASEAN各地に拠点を構えてグローバルビジネスを展開している。中国(東莞)、タイ、ミャンマーではEMS事業も行っている。

 山﨑隆博社長は「21年に続き、22年も半導体や電子部品不足が継続。市場ではスマートフォンやパソコン向けの需要は落ちたが、一方当社がメインに有望市場として取り組んでいる医療機器や産業機器分野は投資も継続し、売り上げ増につながった。また長年にわたって築いてきたサプライヤーとの信頼関係が部品調達にも反映でき、新たな商流獲得にもつながった」と話す。

 地域顧客に根付いた事業展開する目的から国内外の拠点を拡充している。ここ1、2年、海外の拠点拡充を積極的に進め、中国は新たに成都、大連、合肥、重慶に営業拠点を設けた。中国はローカル企業向けのビジネスに重点を置き、現在は中国売り上げの約5割を占める。超音波診断装置などローカルの医療機器企業を主な対象にビジネスを伸ばしている。高精度な医療機器には日本製部品が不可欠という。

 またベトナムは22年3月ハノイに新拠点を開設。タイでは21年に8000平方メートルの倉庫を新設・拡充し、タイ国内のスピーディーなロジスティック体制も整えた。山﨑社長は「今後は中東やアフリカなどインド以西も視野に置いている」と海外事業の方向を示す。

 顧客へのソリューション提案を強化している。山﨑社長は「ヒロセ電機やローム製半導体、ニチコン、岡谷電機産業製受動部品などを核に回路ブロック構成部品のトータル提案を強化している。特に最近はソニーとの代理店契約を結びカメラ(イメージセンサー)がキーとなり、製品情報をいち早くつかむことで受動部品も含めて産業機器の引合いが増えている」と話す。そして「23年は受注残への対応もあるが、先行きに対して悲観はしておらず、特に海外は強気の営業計画で臨む。当社はサプライヤーの数も扱う品目も充実している。顧客も幅広い。商社として深耕しなければならないテーマが多く残されている。これからも地道に取り組んでいきたい」と語っている。