2023.01.17 【半導体/エレクトロニクス商社特集】丸文 飯野亨社長

飯野 社長

独自ソリューションで基盤強固に

 丸文は、通信、車載、医療、産業機器を重点分野とするデバイス、システム両事業に加え、2022年度からソリューション事業を立ち上げた。ICTやAI/IoT、ロボティクス、次世代モビリティー、医療・介護などを対象領域に、高付加価値商材を核にした同社独自のソリューションを提供する。

 飯野亨社長は「22年度は半導体不足の継続、エネルギーや部材価格の高騰などの影響があるものの、製造業の高水準の設備投資により当社の業績は順調に推移している。23年度は設備投資にブレーキがかかり、中国経済の減速なども予想され事業環境は厳しいとみているが、DXやEV化、生産自動化など時代の潮流に応じた当社独自のソリューションを提供することにより、経営基盤を強固にしたい」と述べる。

 ソリューション事業では、米・アイオロス社が開発したヒューマノイドAIロボットは、介護・医療施設向け販売網を全国に構築し、販売実績が上がり始めている。介護にとどまらず、ビルメンテナンスや警備業界にも用途拡大を進めている。

 米・オシア社の空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム「Cota」を提供し、登録検査等事業者として無線基地局開設のための支援サービスも開始した。本社(東京都中央区)には、Cotaやアイオロス社のAIロボットが体感できるデモルームも開設し、運用を始めている。本社内にはローカル5G基地局も設置し、ローカル5Gの活用に向け、さまざまな実証を行う予定だ。

 デバイス事業では、アナログ・デバイセス、ヌヴォトンテクノロジーが新たにラインカードに加わり、産業機器、自動車ほか幅広い顧客に最適なソリューションを提供する。

 システム事業では、レーザー機器や電子部品の組み立て・検査・不良解析装置など、幅広く販売する。各種材料の加工プロセスが変化する中、銅材料などの加工に適した高出力青色レーザーや、樹脂材料などに使用が期待される超短パルスレーザーの販売を始めた。また、車載電装基板向けの真空リフローシステムなども提案しており、裾野の広い産業分野の最先端デバイス開発向け製造・検査・解析装置に注力している。